COLUMN
コラムみなさんは接遇マナーと聞いて、どんなイメージがありますか?なんだか難しそう・・・と思う人もいるかもしれません。
ただ、訪問看護などでの接遇マナーは、現在訪問看護で働いていてもいなくても、日ごろみなさんは、できていることだと私は思っています。
今回の記事では、これから訪問看護に携わる人は、これを今後活用していただけたらと思いますが、現在訪問看護師として働いている人も、自分の訪問時のマナーは合っていたのか、自分が訪問しているときの行動を振り返る機会にしてもらえたらと思います。
接遇とは一般的には、接遇の一般的な意味は「他者をもてなす行為」または「他者をとりなす振る舞い」とされています。
すなわち、お客様を気持ちよく迎えるための行為といえるでしょう。
ここで、疑問が出てくるのが訪問看護での接遇も同じなのかということです。
「他者をもてなす」というと、少し違和感が出てしまいますが、ご利用者様に気持ちよくサービスを使ってもらうためという意味では、一般的な接遇マナーを取り入れていってもいいかもしれません。
東大病院では、医療における接遇を以下のように示しています。
医療における接遇とは、患者さんやそのご家族に安心して受診していただくため、スタッフ間の信頼関係を高めるための、思いやりと接し方です。患者さんやそのご家族が安心して受診できることで医療者との信頼関係が構築され、診療の質を高めることにつながります。スタッフ間の信頼関係は円滑なチーム医療につながります。医療における接遇は、診療の質向上やチーム医療の推進の基盤となる大切なものです。 |
引用:東大病院HP
訪問看護での接遇も、利用者さんやスタッフ勘での信頼関係を高めるための思いやりと接し方の方法のひとつとして、接遇の知識を取り入れて実践していくといったイメージになるでしょう。
では、一般的な接遇の細かいところについて、以下にて解説していきます。
一般的な接遇は、接遇5原則というものに沿って行っていきます。
この接遇5原則は、訪問看護師にとってもとても大切なことなので、訪問時に意識して取り入れていきましょう。
相手から見て気持ちの良い挨拶ができるかが、ポイントです。
挨拶をしても、相手に不快な思いをさせてしまうことで、信頼関係が築きにくくなり、ちょっとしたことでもクレームにつながるような状況に至る可能性もあります。
訪問看護では、訪問したときの挨拶や退室時の挨拶は、利用者さんやご家族などにとって気持ちがいいと思っていただけるような挨拶をしていくことが必要です。
上記のあいさつと同時に大切なのが笑顔です。
笑顔で挨拶するか、無表情で挨拶をするかで印象も変わってきます。
また、笑顔で挨拶をすると自然と声のトーンも高くなり、明るい印象を相手に与えることができるでしょう。
訪問時には、笑顔でご利用者さんやご家族と接することが大切です。
身だしなみでは、清潔感のある身だしなみにしていくことが大切です。
訪問看護の場合、ユニフォームなどがあることも多いですが、白や薄いピンクなどはケア時に付いたシミなどがそのままになっていないか、注意しましょう。
また、髪が長い場合は縛ったり、おだんごにしたりは、看護師としては常識ですが、見落としがちなのがケア後です。
ケア後は、髪型がみだれることも多いです。
訪問中のご利用者様のお宅ではまだいいかもしれませんが、次のお宅でそのままの髪型でいくと、不衛生に見えてしまったり、疲れているように見えてしまったりすることもあります。
ケア直後に、ササっと髪型を整え、次の利用者さんのお宅に入る前にも身だしなみは整っているか、確認してから入室していきましょう。
態度についても、気を付けていく必要があります。
横柄な態度は、上から目線の態度に見えてしまい、悪印象を与えかねません。
特に、看護師の場合はアドバイスや指示などを行っていくことが多いです。
アドバイスや指示は人によっては、それだけで上から目線で偉そうな印象を持ってしまう人もいます。
何でもかんでも、低姿勢で接する必要はありませんが、丁寧な対応を心がけていくことで、そのような印象は軽減できるでしょう。
態度と同時に、言葉遣いにも注意が必要です。
乱暴な言葉遣いをするだけで、下品で悪印象を与えるので、丁寧な言葉遣いをしていきましょう。
また、訪問看護で気を付けたいのが、高齢者に対して子どもに接するように話すことです。
高齢者のキャラクターによっては、かわいい印象を持っている人もおり、子ども扱いするような言葉かけをしてしまうことも少なくありません。
私は、利用者さんと会話するときには、認知症対応型デイに努めているときに上司から言われた言葉を思い出しています。
「高齢者はいわば人生の大先輩!言葉遣いには気を付けること!」
これを言われたときには、衝撃でした。
特に認知症の人は、病気の症状からではありますが、子ども返りしたかのような行動を取ることが多いです。
このとき、認知症の人も立派な大人であることを私たちは忘れがちになります。
認知症の人は忘れるので、クレームにはつながることは少ないですが、一般的な人の場合クレームまではいかなくても、あまり良い印象は持たないと思います。
利用者さんと接するときには、態度とともに言葉遣いにも注意していきましょう。
基本的なマナーについてお話してきましたが、次に訪問看護だからこそのマナーについてもご紹介していきます。
上記の基本的なマナーに合わせて、注意して訪問していきましょう。
訪問看護では、訪問日時をお約束して訪問していきます。
訪問に遅刻しないのは当然ですが、あまり早くご自宅に着きすぎるのも迷惑になることがあります。
5分程度であれば許容範囲ですが、早く着いた場合は訪問までの時間を調整するようにしていきましょう。
また、遅刻しそうな場合はご利用者様に連絡して、遅れそうな旨を伝えるようにします。
お宅に上がる前に上着は脱いで、上着の外側を内にして折って利き手とは反対側の手に持つようにしていきます。
当然のことですが、靴はそろえてお宅に上がるようにしましょう。
また、部屋に通されたあと訪問看護の場合、ベッドサイドでお話を聞くことも多いですが、客間に通された場合は、入口近くの下座に座るのがマナーです。
また細かいことですが、畳の縁は踏まない、座布団が用意された場合には座布団を踏んで座らないなどにも注意が必要です。
バッグは、小さなものでも床に置くようにしていきます。
雨などで濡れた場合などは、お宅に上がる前にタオルで拭いたり、玄関に置かせてもらうなど室内が濡れてしまわないように配慮していくことが大切です。
コロナ感染症が流行し始めてから、感染対策への意識が高まっています。
ご利用者様に安心して訪問看護の介入を受けていただくために、入室後手洗いや手指消毒を行っていくことも大切です。
ときに、タオルなどご用意してくださるお宅もありますが、基本的には自身のタオルを使用するようにしましょう。
ケアで使ったものは元に戻して、出たごみがあればまとめて各ご家庭に合わせた捨て方で捨てて、後片付けをきちんとしましょう。
退室時もご利用者様に挨拶をして、最後まで気を抜かず、玄関のドアは丁寧に閉めて退室していきます。
上着は、退室後外で着るようにしましょう。
今回は、訪問看護の接遇マナーについて、解説してきました。
接遇マナーといっても、特に大それたことをする必要はありません。
丁寧な言葉遣いと対応を心がけていれば、それが立派な接遇マナーです。
ただ、接遇としての知識があるかないかで、自分自身の言動も変わってくることも確かです。
ぜひ、今回の内容を参考にして、日々の訪問に役立ててみてください。
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