COLUMN
コラム今回は、訪問看護師として働いていて、嬉しかったエピソードを5つご紹介していきます。
「訪問看護師は大変と聞くけど興味がある・・・」という人はぜひ最後まで読んでみてください。
寝たきり独居の男性で、ヘルパーさんは介入しているものの、ずっとベッド上で過ごされている方です。
転倒し、腸骨と膝に傷が出来てしまったのですが、腸骨に出来た傷は悪化し褥瘡になってしまいました。
一番ひどいときで10㎝ほどの大きさまで大きくなり、特別訪問看護指示書で毎日褥瘡処置をしに訪問をしていた利用者さんです。
毎日なので、私だけでなくいろんな看護師が日替わりで訪問していたのですが、見るたびに褥瘡が改善されていくのが分かりました。
ケアに対して拒否言動もある利用者さんですが、日に日に良くなっていく褥瘡をみていると、看護師としてやっている効果が見えて嬉しかったです。
また、「もう、いいよ!」「寒いから早くして!」とズボンをはこうとしたりして、時にはケアが大変なこともありますが、看護師が帰るときには「ありがとう」と穏やかにいってくださる姿も嬉しく、やりがいも感じます。
新規利用者さんの担当になり、契約と担当者会議に同席したときのことです。
担当者会議前にケアマネさんとご自宅前で会ったのですが、そのときに「担当になってくださるの?それなら、安心だわ」と言っていただきました。
その方のケアマネさんとは、別の利用者さんともいろんなやりとりをしており、多少なりとも信頼関係は出来ていると思っていましたが、あらためて言葉で伝えていただけると、とても嬉しくなりました。
これから、他のケアマネさんとも同じようにいい関係が気づけるように、日々やりとりをしていけたらと思う経験でした。
認知症のある人が私のアドバイスで、入浴できるようになり、しかも増回して週に2回入浴できるようになったことも嬉しかったです。
なかなかお風呂に誘導しても拒否があると、スタッフが悩んでいました。
入職したてで、まだ訪問もなかったので、同行して状況を確認してみました。
同行したときには、入浴までいたりませんでしたが、どうしたら入浴をしてもらうことができるかは、この時点で見通しはたちました。
入浴の誘い方をその後担当のスタッフに伝えたところ、次の訪問では入浴でき、さらには週に2回へと増やすこともできるまでになりました。
認知症の人の対応には自信があったので、自分のアドバイスで入浴拒否のあった人が入浴できるようになったことは、本当にうれしかったです。
訪問看護では、その一人ひとりの利用者さんの生活状況に合わせた看護が必要だと考えています。
そして、その価値観は看護師ひとりひとりによっても異なります。
私はいま働いているところを含めて、3か所の訪問看護ステーションで働いてきましたが、3か所それぞれ様々な特徴がありました。
特に2か所目の事業所は、管理者さんの看護観の色が強い事業所でした。
看護師として「きちんと管理をして利用者さんの状態を観察したりケアをしていったりしたいのかな・・・」と感じました。
看護師としては、当たり前の行動で間違ってはいません。
しかし、私としては在宅で生活しているなら、ある程度は利用者さんの意向にそって譲歩していくのも、在宅看護ではないかなと考えていました。
そこで、私との在宅での看護観の違いでその事業所は辞めてしまいました。
そんな事業所がある一方で、自分の看護観や今までの看護師経験を活かしながらできる事業所も数多くあります。
前述した入浴のエピソードは、認知症対応型のデイサービスに勤めていた時に培ったものです。
こうして、今までの看護師経験を活かしながら、利用者さんに看護を提供できる環境は、私のいろんな喜びややりがいにつながっています。
妊活を期に一度訪問看護から離れた時期がありました。
そこで、辞めるときにケアマネさんから言われた言葉が、とても嬉しくて今でも残っています。
そのケアマネさんとは、ひとりの利用者さんとしか関わりはなかったのですが、認知症がかなり進行しており、訪問を忘れて買いものに出かけたり、内服管理が全くできていなかったり、担当変更後に看護師が「おせちを食べに来たいと言った」とふだん海外に住まわれている娘様からクレームが入ったりと、いろんなことが起こった利用者さんの担当でした。
そして、事業所を辞めることを伝えたときに「残念・・・また戻ってきてくださいね」と言われました。
はじめての訪問看護で、手探りで訪問していた部分もあり、ケアマネさんからその言葉をかけていただけたときには「自分の看護は間違ったことしてなかったんだ」と嬉しかったのとともに自信にもなり、出産後の今も私の原動力となっています。
今回は、訪問看護で嬉しかったエピソードを5つ紹介してきました。
この5つはほんの一部で、特に嬉しかったものばかりになります。
訪問看護では、毎日大変なことも多いですが、嬉しいこともたくさんあります。
その嬉しいことがあるからこそ、いまも訪問看護師として働き続けることが出来ていると思っています。
訪問看護は大変でないわけではありません。しかし、訪問看護師になって続けている人が多いのは、大変な分喜びもより一層大きいからではないでしょうか。
みなさんにも訪問看護師としての喜びを、ぜひ感じてみて欲しいと思っています。
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