病棟と訪問看護を徹底比較！訪問看護師として働くメリットとデメリットとは？

訪問看護といわれると、どうしてもひとりでの訪問で大変といったイメージがあるでしょう。
しかし、訪問看護師として働くにはたくさんのメリットもあります。

今回は、訪問看護師のメリットをみなさんにも知ってもらえるような記事になっています。
ぜひ、今回の訪問看護師のメリットとデメリットを知ったうえで、訪問看護師に興味をさらに持っていただけると嬉しいです。

利用者さんの個別性を発揮できる看護ができる

在宅療養での最大のメリットと言えるのが、利用者さんに合わせた看護ができるというところです。
病棟では、治療がメインになります。療養型の病院でも、状態を悪化させないように管理していかなくてはいけません。

しかし、在宅では何よりも一番は利用者さんの意思です。

糖尿病や腎不全の方でも、年齢にもよりますが多少寿命が短くなっても、好きなものを食べて飲んで過ごしたいというのであれば、それを尊重した看護の提供をしていくことになります。

病棟では、個別性の看護と言われながらもどうしても病院の規定などでできないことも多いです。

しかし、在宅では利用者さん第一で考えていくので、病棟で個別性と言いつつもできないことへのジレンマを抱えている看護師さんは、訪問看護師が向いているかもしれません。

訪問看護での看護師の最大の役割は在宅生活をサポートすること！

訪問看護師の最大の役割、そしてやりがいにつながって来るのは、在宅生活をサポートすることです。
訪問看護師は週に1〜2回の介入になります。

しかし、この週に1~2回の介入で状態を見たり、ご家族ご本人からのお話を聞いてアセスメントし、ケアをしたりケアマネージャーとの連携を図ることで、みるみる利用者さんの生活状況が好転してくることも多くあります。

このように利用者さんが日に日に良くなっていくところを見ていけるのは、訪問看護師としてというよりは、看護師としてとてもモチベーションも保ちながら働けるので、メリットといえるでしょう。

訪問看護の仕事内容は幅広く臨機応変な対応が必要

訪問看護は、その場のケアをして終わりではありません。

私たち、訪問看護師はご利用者様の生活の一部分に入って、ケアをして退室するため、その前後の生活スタイルのことも考えて訪問していく必要があります。

特に、独居やご家族が日中在宅していない場合、ADLが保てている人はある程度自分でできますが、ADLが低下している人の訪問の場合、その人の状況に合わせて環境も整えていく必要があります。

そのため、訪問看護の看護師は訪問時に医療的なケアだけでなく、ときにはヘルパーさんがやることじゃないの？と人によっては思うこともやらなければいけないことも多くあります。

もちろん、その内容にも限度はあり、あきらかに訪問看護の仕事から逸脱していたり、訪問の介入時間におさまらないといった場合には、ケアマネさんに相談してヘルパーさんの導入を考えてもらうことも必要でしょう。

訪問看護は、利用者さんに沿ったケアができるといったメリットがある反面、ここまでは看護師、ここからはヘルパーさんの仕事・・・と明確に分けられないのがデメリットです。

したがって、訪問看護は病院とは違って医療的ケアだけすればいいという場ではないことは、理解しておく必要があるでしょう。

ただ、逆に言えば病院のような規定がないので、倫理的なところや保険制度での逸脱がなければ、ご家族がご本人の意思を尊重した看護を提供できるので、自分の看護観にそった看護をしたい人は訪問看護がおすすめです。

病棟と訪問看護では必要なスキルが違う？

アセスメントや看護技術は基本的に、病棟でのスキルが必要となります。
さらに訪問看護ではひとりでの訪問のため、病棟以上に介護技術が必要になることも多いです。

また、週に1〜2回の訪問なのでそれまでの状況をご家族やご本人からお話を聞いてアセスメントをしていく必要があります。そのため、コミュニケーション能力も病棟での勤務以上に必要となってくるでしょう。

その他、病棟のように物品が揃っているわけではないので、ご自宅にあるもので創意工夫するスキルも必要となる場面が多くあります。

訪問看護では病棟よりも給与が安くなる?

訪問看護でのデメリットの一つとして言えるのが、給与が病棟勤務の夜勤などを含めた最大給与額に劣ってしまう事です。

特に大きな病院の場合は、最終学歴によって初任給も変わってきますが、訪問看護は多少の経験年数によって給与の変動がある場合もありますが、学歴によって変わることはほぼありません。

また、オンコール手当はあるものの夜勤はないため、多く夜勤をされていた時と比較して差が出るかもしれません。
したがって、バリバリ働いてより多くのお金を稼ぎたいという人にとっては、デメリットになると言えます。

そんな中でも訪問看護師として働き始めて続いている人は、お給料という面よりもじっくりと利用者さんと向き合いながら看護ができることにやりがいを感じて働いているからです。

まとめ

今回は、病棟と比較して訪問看護師として働くメリット・デメリットをご紹介してきました。

訪問看護師は、ひとりでアセスメントしたりケアをしたりと大変なことが多いわりに給料が安いといったイメージがある人も多いでしょう。

しかし、大変なだけでなく利用者さんの変化をより身近で見られるうえに、直接感謝の言葉ももらえるといった看護師としてのやりがいをより感じられる職場だと私は感じています。

訪問看護は、病棟にはないメリットがたくさんある職種なので、ぜひ挑戦してみてくださいね。