COLUMN
コラム「病院の職種は看護師・医者だけ?」
「リハビリは介護ってこと?」
病院で働く職種と言えば、映画やドラマで良く出る医師や看護師さんを思い浮かべることが多いと思います。近年では放射線技師や薬剤師も漫画やドラマなどで有名になってきました。
しかし、病院の職種はこの4職種だけではありません。病院にはリハビリテーション科があることをご存じでしょうか?実はリハビリテーションは重要な存在であり、患者に大きく関わりがあります。
この記事ではリハビリテーション科で働く理学療法士の私が、リハビリテーションや理学療法士とは何か、理学療法士の仕事内容や生活、また社会に知ってほしいリハビリのことについて話します。😊
1.リハビリテーションについて
リハビリテーションとは、患者の疾患による身体的・精神的・社会的な障害をセラピストと訓練することで、回復や復帰を測ります。セラピストの種類は3種類あり、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士。それぞれ資格や訓練内容が異なります。
リハビリテーションの職種別 訓練内容一覧
リハビリテーション職種 | 訓練内容 |
理学療法士 | 可動域の拡大や筋力訓練、動作訓練 |
作業療法士 | 家事や患者の仕事に関する作業を訓練 |
言語聴覚士 | 言語力や理解力、食事の喉の動きなどを訓練 |
患者はすべてのリハビリをするわけではなく、問題がある分野のリハビリを受けます。入院中の体力維持は理学療法士の管轄なので、理学療法士のリハビリは比較的受けることが多いです。
2.リハビリテーションは患者の入院生活に大きくかかわる
骨折や病気で入院した場合、手術が終わると治療は終わり…というわけではありません。ケガした部位が以前の状態に戻ることを目標にリハビリテーションを開始します。
骨折などではなくても、手術前後に体力が低下しないようにしたり、余命が決まっていても機能の維持や安楽に過ごせるようなリハビリをします。
入院患者には担当のセラピストがつき、毎日20分〜60分のリハビリをします。退院しても、数カ月は外来でリハビリを継続することもあります。
リハビリは社会に知られていないことがまだ多いですが、リハビリは患者にとって入院生活に大きくかかわりがあると思いませんか?
リハビリは患者と一緒に努力し寄り添う存在で、重要な職種です。リハビリを数カ月一緒に頑張ってきた患者が、目標を達成し退院される姿をみると私は良い仕事だなと感じます。😊
患者の中には入院でリハビリのことを知り、良い仕事だと言ってくださる方や退院の際には泣かれる方もいます。
3.理学療法士はどういったお仕事?仕事内容や資格について
今回は、セラピストの中でも理学療法士について説明します。
理学療法士は、患者の機能障害を、物理療法や機能訓練でアプローチする仕事です。
患者の「これができるようになりたい」と掲げるゴールや、理学療法士が分析し必要な動作の獲得を目指します。
理学療法士になるには、専門学校や大学で3〜4年間単位を取った後に国家試験に合格する必要があります。
合格率は90%前後で、本当に理学療法士になりたければ進学も試験も問題ないでしょう。
私の学生時代はスポーツトレーナーになるために入学した人がかなり多かったです。
実際のところはスポーツ分野に行く人は少なく、思っていた仕事と違うということで自ら進学を辞める人もいました。😔
4.理学療法士の給料やライフスタイルは?
理学療法士の年収は、日本の社会人の平均年収より少し低いといわれています。
昇給することも少なく、休みは祝日やお盆休みがない職場が多いです。
残業は30分〜1時間ぐらいで夕診のリハビリがあっても、退勤が20時を回ることはめったにないです。収入を多く欲しい人は、副業を始めたり転職する方法があります。
経験年数が3年以上あると、収入の高いところに転職しやすくなります。
理学療法士は忙しい仕事ですが、プライベートはスポーツの同好会やBBQなど遊びも充実しています。
理学療法士はもともと学生時代に運動部だった人がほとんどです。
そのためアウトドア好きが多く、職場の人と旅行に行ったりBBQしたり、フットサルやバレーをしたりと気の合う人が多くいます。
マラソン好きの医師がリハビリ科に誘いにくることが良くあったり、突然富士山に登りに行く企画ができたり、アクティビティはリハビリの人を誘えば人数が集まります。😊
私は実習も含めると6院ほど経験していますが、リハビリテーション科は仲が良い職場が多いです。
5.リハビリテーションは理学療法士が勝手に治してくれるものではない
リハビリテーションは医師が行う外科的手術や注射や薬とは違い、訓練を重ねて治療します。
そのため、リハビリテーションを20分~60分して正しい姿勢や正しい歩き方で過ごしていても、あとの23時間の方が圧倒的に過ごしている時間が長いです。
23時間ゴロゴロしていたり悪い姿勢ですごしていると、リハビリの効果は薄れてしまいます。
患者様の中には「一日経ったらまた悪くなる」「なかなか良くならない」とおっしゃる方もいます。
理学療法士の力不足かもしれませんが、リハビリは手術のように1回では変わらないもので、セラピストと患者様が一緒に頑張っていくものです。
6.理学療法士の先生が数年後にはいないのはなぜ
理学療法士の担当が退職すると、患者の中には悲しむ人もいます。
理学療法士は定年まで同じ職場にいることはほとんどありません。その理由は転職しやすい職業だからです。
国家資格があるので働く意欲があれば再就職はしやすい職業です。理学療法士は大体3年目から転職を考える方が多く、動機は新たな分野にチャレンジしたい、給料を上げたい、働く時間帯を変えたいなど様々です。
もし再度病院でリハビリを受けることになっても、担当だった理学療法士と合わないことも多いです。私たちからすれば、一度リハビリを終了した患者は、再度受診することなく元気に日常を過ごしていることが願いです。
7.まとめ
理学療法士の仕事は、患者やご家族がより生活しやすいように、心身ともに導く役割があります。リハビリテーションや理学療法士について少しでも理解をしていただけると幸いです。
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