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看護のプロが教える施設看護とは何か?の5つのポイント+実例4つ

看護のプロが教える施設看護とは何か?の5つのポイント

1.      施設看護とは何か

施設看護は、高齢者や障害のある方々が生活する施設内で行われる看護ケアのことを指します。
この看護は、病院のような急性期医療ではなく、長期的な生活の中での健康と安全を守るためのサポートです。

施設看護には、健康状態のチェックや日々の体調管理、必要な医療処置、異常の早期発見、そして生活面の支援まで多岐にわたります。
それぞれの入所者が安心して、できるだけ自立した生活を送れるようにするのが目的です。

また、施設看護師は他の専門職と連携して、チームでケアを行います。
介護士、リハビリスタッフ、栄養士、ソーシャルワーカーなどと協力しながら、入所者の個々の状態に合ったサポートを提供しています。

施設は入所者にとって生活の場であり、家庭のような環境でもあります。
そのため、医療の視点だけでなく、心のケアや人間関係にも気を配ることが求められます。

2.      健康管理の重要性

健康管理は、施設で生活する入所者の健康を守るためにとても重要です。
年齢や障害により、体調が変わりやすくなっている入所者が多いため、看護師の細やかな観察と判断が欠かせません。

看護師は、毎日のバイタルチェックだけでなく、表情や言葉の変化、食欲や睡眠状況なども見逃さずに観察します。
定期的な健康評価を通して、体調の変化に早めに気づき、必要な処置や医師への報告につなげます。

さらに、健康管理には生活習慣の見直しも含まれます。
バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠などを入所者が維持できるよう、看護師が日常生活に関わりながらサポートします。

慢性疾患を持つ方も多く、薬の管理や体調に合わせた生活指導も大切な業務のひとつです。
これらの積み重ねによって、入所者の健康を長く守り、自立した生活の維持につながります。

3.      医療行為の実施

施設においても、看護師が行う医療行為は多くあります。
医師の指示のもとで、日々の投薬管理や注射、点滴、創傷の処置などを行います。

また、体温・脈拍・血圧などのバイタルサインの測定を通して、体調の変化を早く察知する役割も担っています。
入所者の中には、複数の持病を抱えている方も多いため、看護師の的確な判断と処置が求められます。

これらの医療行為により、病状の悪化を防ぎ、症状をコントロールすることができます。
また、施設では医師が常駐していないこともあるため、緊急時には看護師が迅速な初期対応を行い、命を守ることもあります。

たとえば、急な発熱や転倒によるケガなど、日常の中で突然起こる事態にすぐに対応する力が求められます。
そのため、看護師は常に冷静で、確かな技術と判断力を持って行動する必要があります。

4.      異常の早期発見と対応

入所者の小さな変化を見逃さないことが、施設看護の中でとても大切です。
普段と違う様子に気づき、素早く対応することで、病気の重症化を防ぐことができます。

看護師は、日々の観察を通して異常の兆候を見つけます。
たとえば、表情が暗くなっている、食事量が減っている、傷が悪化しているなどの変化は、体の異常のサインかもしれません。

褥瘡(床ずれ)の予防や感染症の早期発見など、日常的な観察とケアがとても重要です。
また、異常があった場合は、速やかに医師に報告し、適切な治療や対応を行います。

夜間や休日など医師が不在の時間帯でも、看護師は一次対応を任されることがあります。
そのため、施設看護師には臨機応変な判断力と対応力が求められます。

5.      生活支援の提供

施設看護師の役割は、医療や健康管理だけではありません。
日常生活のサポートも大切な仕事のひとつです。

入浴の介助、排泄のサポート、食事の準備や摂取の支援、衣服の着脱など、入所者が日常を快適に過ごすための手助けを行います。

それぞれの入所者には異なる体調や生活リズムがあり、それに合わせた支援が必要です。
看護師は、単に作業を行うのではなく、その人の尊厳を大切にしながらサポートを提供します。

また、心身の状態に応じたリハビリやレクリエーション活動にも関わります。
一人ひとりが楽しく過ごせるよう、イベントを企画したり、体を動かす機会を設けたりしています。

このような支援は、入所者の生活意欲を高め、精神的な安定にもつながります。

6.      多職種連携の効果

施設看護は、看護師だけで行うものではありません。
多くの専門職がチームとなって、入所者のケアを行っています。

たとえば、介護士が日常の介助を行い、リハビリスタッフが身体機能の維持をサポートし、栄養士が食事を管理するなど、それぞれの専門性を活かした支援が行われます。

看護師はその中で、健康状態の把握や医療的な視点からの助言を行い、ケア全体の調整役となることもあります。

このような多職種の連携によって、入所者一人ひとりに合ったケアプランが作成され、質の高い支援が可能になります。
また、情報共有がスムーズに行われることで、異常の早期対応やケアの質の維持にもつながります。

多職種で話し合いを行いながら進めるケアは、入所者の安全・安心を高めるだけでなく、働く側にとっても支え合いとなります。

7.      最後に

施設看護は、入所者がその人らしく、安全に生活を送るために欠かせない存在です。
健康管理や医療行為、異常への対応、生活支援など、看護師の業務は多岐にわたります。

その中で、看護師は常に入所者の立場に立ち、寄り添いながら日々のケアを提供しています。

健康の維持と病気の予防、さらには自立した生活の支援に加え、精神的な安定を保つサポートも行っています。
また、多職種と連携して行うケアは、入所者にとって安心できる環境をつくり出す大きな力となります。

施設看護は、医療と生活をつなぐ存在として、これからますます重要性を増していく分野です。
それぞれの役割を理解しながら、チームで入所者を支える姿勢が求められます。


症状管理と予防について、実例も交えて解説!

症状管理と予防は、看護師が患者や入所者の健康状態を維持・向上させるために重要な役割を果たします。以下に、実例を挙げながら症状管理と予防について詳しく説明します。

実例1: 褥瘡(床ずれ)の予防と管理

褥瘡は、長時間同じ体勢でいることによって起こる皮膚の損傷です。施設看護では、褥瘡のリスクが高い患者に対して以下のような予防・管理方法が取り入れられます。

  • 定期的な体位交換やクッションの使用による圧力分散
  • 皮膚の清潔と乾燥の維持
  • 栄養状態の評価と適切な栄養サポートの提供

実例2: 転倒予防

高齢者の施設では、転倒が骨折や他の合併症を引き起こすリスクがあります。転倒予防には以下のような方法があります。

  • 環境整備(段差の除去、手すりの設置、適切な照明)
  • 適切な移動介助や歩行器の使用
  • 筋力やバランスを向上させるリハビリテーションの実施

実例3: 誤嚥性肺炎の予防

誤嚥性肺炎は、飲み込み障害が原因で食物や唾液が気管に入り込むことで起こります。予防策として以下のことが考えられます。

  • 食事の形態や固さを個別に調整する
  • 食事中の姿勢や食事の進め方を工夫する
  • 口腔ケアを定期的に行い、口腔内の清潔を保つ

実例4: うつ病の予防と管理

高齢者の施設では、うつ病が見逃されることがあります。以下のような方法でうつ病の予防と管理が行われます。

  • 入所者とのコミュニケーションを大切にし、孤立感を軽減する
  • 心身の状態を定期的に評価し、症状の変化に対応する
  • 適切な運動やレクリエーションを提供し、活動の機会を増やす
  • 必要に応じて専門家(精神科医や心理士)と連携し、適切な治療やケアを行う

これらの実例を通して、症状管理と予防が施設看護において重要であることがわかります。看護師は、入所者の健康状態を維持・向上させるために、状況に応じた適切な予防策や管理方法を取り入れることが求められます。

また、他職種との連携や家族とのコミュニケーションも大切であり、症状管理と予防において効果的なアプローチができるようになることが望ましいです。

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