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訪問看護業界での現状と課題~訪問看護師の給与や待遇、責任など

訪問看護業界での現状と課題

在宅で看ていこうという流れになっている中で、訪問看護師が不足しているということを耳にする人も多いのではないでしょうか。

なぜ、訪問看護師になろうと思う人が少ないのか、今回は訪問看護業界での現状と課題について、考えていきたいと思います。

深刻な訪問看護業界での人手不足

訪問看護事業所は、毎年増える中そこで働く人が不足しているのが現状にあります。

訪問看護業界での人手不足の原因について、ここでは解説していきます。

人手不足の原因⓵病院と同じ待遇に出来ない

訪問看護では、事業所の純利益がほとんどないことが、厚生労働省による令和4年度介護事業経営概況調査結果の統計でも出ています。

そのため、病院のように毎回決まってボーナスを支給したり、病院勤務と同等の給与を支払うのが難しいというのが現状です。

事業所も基本給をあげられない分、インセンティブで給与に上乗せ分を支払ったり、事業所の利益に合わせてボーナス支給をしたりなどの工夫をしたりしているところもあります。

しかしやはり、働いてる身としては毎月ある程度の給与がもらえる病院などで働こうと思う人が多く、給与が下がるなら興味はあるけれどもこのまま病院で働こうと思う人がいるのも事実で、なかなか成り手がいないというのが現状です。

人手不足の原因⓶心身の負担が大きい

人手不足のふたつ目の原因としては、心身の負担が大きいということです。

訪問看護での、心身の負担には「責任の重さ」「休憩がとれない」「訪問後の残業」が挙げられます。

ひとつずつどのような負担がかかってくるのか、説明していきます。

責任の重さ

責任の重さとしては、主に一人で訪問してそこで判断していかなくてはいけないというところです。

病棟では、同じ場所で何人も看護師が働いていますし、なにかあったときにはすぐに聞くこともでき、ヘルプも出しやすい環境です。

しかし、訪問看護では基本的に一人での訪問で、電話で相談できるとは言え、繋がるかもさだかではありません。

なにかあった際に一人で判断して対処しなければいけない状況に、かなりのストレスを感じる人もいます。

この責任の重さから、訪問看護師に足を踏み入れてみたものの、辞めてしまう人も少なくありません。

休憩が取れない

次に、休憩が取れないというところです。

訪問看護では、利用者さんのお宅から次のお宅までの移動があります。

そのため、お昼休憩として1時間とってあっても、実際のところは1時間まるまる休憩時間がとれるような環境にないことも多いです。

また、車での移動の場合渋滞に遭遇したり、訪問している中では突発的なことで訪問時間が伸びてしまうこともあります。

そういったときには、お昼休憩がないという場面も度々みられます。

1日4〜5件で訪問から次の訪問まで30分の時間的猶予があり、のんびり働けそうと思って訪問看護師として働き始めた人の中には、訪問看護ならではの時間との闘いに悩む人も多いでしょう。

※テオ株式会社では、それらの負担についてを各訪問看護ステーションの内情を見たうえでご紹介しております。失敗しない訪問看護ステーション探しのお手伝いが可能ですので、ぜひご相談ください。

訪問後の残業

訪問看護では、毎月月末に「訪問看護報告書」と「訪問看護計画書」の作成があります。

訪問の合間に作成ができれば問題ないのですが、日中は訪問で埋まっていることが多く、訪問がすべて終わってから夕方に作成していくことも少なくありません。

それでも、期日までに間に合わない場合、休日に事業所にいって作成するときもあります。

比較的、残業なく働けると言われている訪問看護ですが、このような実情を目の当たりにして、辞めてしまう人も少なくありません。

上記のような、心身の負担から訪問看護へ就職しても、辞めてしまう人も多く人手不足が解消されないといったことが挙げられます。

地域包括ケアシステムの構築

2025年に65歳以上の高齢者は3,657万人、75歳以上の高齢者も2,000万人を超えると言われています。

高齢者が増える中、病院や施設への受け入れには限界があり、これからは在宅で看ていこうという流れになってきています。

その中で、訪問看護師は医療的なケアの担い手として、重要な役割を果たしてきますが、増え続ける高齢者と訪問看護事業所に比べて、訪問看護師として働く人があまりにも少ないのが問題となっています。

参考:在宅医療・介護の推進について|厚生労働省

訪問看護師は2025年までに最低でも12万人必要

2025年から本格的に地域包括ケアシステムが始動するにあたって、一人の看護師が超過勤務10時間以内/月、有給休暇5日/年を取得する場合、2025年までに12万人必要とされています。

さらにワークライフバランスなどを考えて、有給休暇20日/年を取得する場合には、13万人必要という統計結果が出ています。

早急な人手不足解消が求められていますが、待遇面や看護師の負担、キャリアアップの不確実さなどから、なかなかなり手がないのが現状と言えるでしょう。

参考:訪問看護の現状とこれから2024年版

IT化の実現へのハードルの高さ

訪問看護師の負担を軽減させるためのツールとして、電子カルテの導入などのIT化の実現も一つの方法です。

巷には、訪問看護のための電子カルテアプリを提供している会社はいくつもあります。

アプリを利用するにはアプリを使うための月額料金がかかってきます。また、場合によっては連絡ツールのための社用携帯以外に、タブレットなどもスタッフ分必要になり、その分の予算が必要となってきます。

しかし、訪問看護ステーションは病院のように大きな予算がなく、ここ最近の介護保険の改正でも、訪問看護のリハビリスタッフによる訪問の報酬が下がっており、なかなか電子カルテの導入が難しいのが現状です。

参考:訪問看護記録業務のIT化促進事業

訪問看護師という働き方の選択ができる業界に・・・

日本訪問看護財団の訪問看護の現状とこれから 2024年版では、訪問看護師としてのキャリアアップが図れる体制を作れるよう、生涯研修体制を整える必要があると記載されています。

訪問看護事業所では、なかなか教育体制が整っていないところが多いのが現状で、看護師としてのスキルアップもなかなか見えにくい業種にもなっています。

これから、訪問看護師を増やしていくためには、訪問看護の現状とこれから 2024年版にある、キャリアラダーなどをもとに、訪問看護師としてキャリアアップをしていける体制づくりが必要となってくるでしょう。

画像引用:訪問看護の現状とこれから

まとめ

今回は、訪問看護業界での現状と課題についてご紹介してきました。

2025年から地域包括ケアシステムが本格的に始動し始める中で、訪問看護師が足りていないのが現状です。

訪問看護はひと昔前に比べると身近な存在になってきましたが、心身の負担を考えると一歩踏み出せない人が多いのが現状と言えるでしょう。

そんな看護師の不安を軽減するためには、事業所ごとに訪問看護師の負担軽減を図っていくとともに、教育体制を整えていくことが大切ではないかと思っています。

テオ株式会社では、一歩踏み出せない人や転職先の訪問看護ステーションで失敗しないための情報をたくさん持っております。訪問看護に特化した担当者が丁寧に対応いたしますので、ぜひご相談ください。

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