COLUMN
コラム訪問看護でのエピソードについて、ご紹介していきます。
今回は利用者さんや事業所でのエピソードなどを紹介していきます。
エピソードを知ると、より訪問看護のイメージも付きやすくなるかと思うので、ぜひお読みください。
ご自宅で最期を迎えたいという人が増えて、訪問看護でターミナルを迎える人が増えたな〜というのをここ最近実感しています。
数年前に訪問看護で仕事をしていたときも、ターミナルの人もいましたが、ほんのわずかでした。
ただ私が入職してから、この1〜2ヶ月でもがんの末期の人の訪問看護の依頼が2〜3件あり、そのうち1人はご自宅に帰られてから2週間程度で亡くなられました。
ご本人の最期を住み慣れた自宅で、好きなことをしながらご家族と一緒に過ごしながら迎えられるお手伝いをしていくことは、本当に訪問看護の醍醐味だなといつも実感します。
循環器疾患や慢性腎不全の方では、飲水制限や食事制限を主治医からいわれている人も多いです。
私が、訪問している人の中にも、糖尿病から腎不全になった方がおり、週3回の透析にも行っています。
そのため、飲水制限や食事制限は必須なのですが、好きなように過ごしたいからと全く守ろうとする意識がありません。
透析室の看護師も、私たち訪問看護師もこのままでは、状態が悪くなるのが目に見えているので、守るようにお伝えするのですが、全く聞く耳を持ってくれませんでした。
ただ、考え方によっては、その人が今後どのように過ごして最期を迎えていくかと考えたときに、ご本人の意思を尊重し、私たちは異常を早期発見していく。それも、ひとつの在宅での看護師の役割なのかな・・・とも思いました。
とはいえ、腎不全を患い透析をしていながら暴飲暴食をし、透析前の体重が目標体重まで7.0Kgや5.0Kg残しで透析を終了しているといった透析室からの情報を見ると、果たしてこれでいいのか・・・と思うこともあります。
在宅だからこそ利用者さんの意向に沿った看護ができる反面、このような管理だと人によってはかなり難しくなる部分では、なかなか難しいところがあります。
ただ、こんな困難な場合だけでなく、私が訪問看護師として働いてきた中では、伝え方の工夫などでいい方向に管理ができるようになった人もいます。
そういった場合は、やりがいにつながることも多くありました。
在宅生活を送っている利用者さんの中には、独居だったりご家族もあまり協力的ではない人もいます。
私が訪問していた利用者さんの中にもこんなひとがいました。
ご本人夫婦と息子様は、同じアパートの別の部屋に住まわれている状態。奥様は、かなりの認知症があり、息子様はこちらから、お声掛けをしないとなかなかお話もできないようなご家族でした。
動ける人であれば問題ないのですが、起き上がりや車いすへの移乗には介助が必要で、調子が良いときには
ご自分でベッド枠につかまり立ちますが、必ず見守りは必要。調子が悪いときにはこちらが支えても立ち上がれない状態の方でした。
そんな、ご本人をおいて認知症のある奥様も含めて、ご家族で1泊旅行に出かけられました。
次の日、たまたまベッドの業者がマットの交換のために、ご本人のところに訪問したところ転倒しており、私たち訪問看護に連絡がきました。
転倒しても動けず、丸1日経っていたので臀部には褥瘡ができ、一時期には浸出液もかなり出ていたので感染も心配しましたが、ご自身が持っていたアズノールで対応することで、徐々に傷の方はよくなり、跡は残ったものの完全に治癒できました。
この転倒のとき、ちょうど私はお休みの日で代わりに他のナースが対応してくれたのですが、こうして休みの日などに対応してもらうと、訪問看護師はひとりで利用者さんを見ているわけではないということを実感します。
訪問看護では、それぞれ訪問に出ており、なかなか事業所にみんなで集まれる機会というのも忙しくなると出来なくなります。
管理者も、利用者さんのところに訪問に行ったり、契約などに行ったりすると事業所にいることが少なく、報告などが直接できないことも多いです。
もちろん、重要なことなどは直接会って報告もしますが、病棟と違ってそれぞれ外に出ていることが多いので、業務連絡などはLINEでやりとりをする事業所が多いです。
具体的には、利用者さんの状態についてリハビリスタッフから報告を受けたり、逆にリハビリスタッフにピンポイントで身体的機能面での評価をお願いしたいときにもLINEでお願いしたりします。
最近では、ご家族も不在のことが多く、すぐに布団をはいでしまうが自分でかけられない人に対して、自分でかけられるようなリハビリができないかといったのを、LINEで相談しました。
もちろん、スタッフ同士で会えれば細かいニュアンスも伝わりやすいですし、それに越したことはありません。しかし、お互いにほうもんの介入時間もバラバラで、なかなか対面で話すことが難しいので、LINEでのやり取りが一番取りやすい方法となります。
また、個人情報になることもあるので、LINE上での名前の記載はフルネームが分からないよう、一部「〇」などでふせて記載するなどの工夫もして、やりとりをしています。
LINEのやりとりは自分の携帯でやるの?と心配になった方、安心してください。訪問看護では、社用携帯を支給されるステーションが多いです。
非常勤に関しては、出勤日数などによってそれぞれの事業所で支給されるかは、異なるので確認が必要かもしれませんが・・・。
ここ最近は、コロナの影響でどこも少なかった送別会や忘年会。
訪問看護でも、自粛するところも多かったですが、5類になったこともあり、徐々に歓送迎会や忘年会をやる事業所も増えてきました。
訪問看護ステーションの全てではないかと思いますが、歓送迎会や忘年会などのイベントを事業所の営業が終わってから、事業所で行うこともあります。
大きな病院では、広いスペースを確保できる場合もあるので、病院内でやることもあるかもしれませんが、病棟勤務では基本的に24時間365日休みがないので、なかなか病棟内で行うというのは難しいでしょう。
訪問看護では、営業時間後は電話連絡もほとんどないですし、留守電につなげるため、事業所内でのイベント開催が病棟よりもやりやすいためか、初めて訪問看護師として働いた事業所では、毎年忘年会は事業所で行っていましたし、つい先日は送別会を事業所で行いました。
食事や飲み物の準備、後片付けなどは大変かもしれませんが、急な人数の変更にも対応しやすいですし、意外と事業所でイベントを行うところも多いのかもしれません。
訪問看護でのエピソードについて、お伝えしてきました。
訪問看護は、大変なことももちろんありますが、それは病棟勤務でも同じです。
訪問看護師だと、スキルアップができないのではないかと、不安な人もいるかもしれません。しかし、今回のエピソードにも書いたようにターミナルの利用者さんも増えてきており、在宅での医療度は高くなっています。
また、ふたつめのエピソードの飲水制限や食事制限を守らない利用者さんについての対応は、腎不全の人がそこを守らなければどんな症状がでて、どんな経過をたどることになるのか、基本的な対応や治療などを分かっていなければ、なにか合ったときに対処できません。
さらに、異常の早期発見をして主治医に連絡をするのにも、ある程度のスキルも必要となります。
このようなことから、私は訪問看護は病棟とはまた違ったところでの、さまざまなスキルが必要とされる場所だと思っています。
訪問看護師になったら、看護師としてのスキルが落ちてしまうのではないか・・・と心配な人も一度ぜひ訪問看護師として働いてみてください。
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