COLUMN
コラム今まで、病棟で働いていたけれども訪問看護師に転職したいという方もいるでしょう。
また、訪問看護師として働いているけれども、ステーション選びに失敗して他の職場を探しているという方もいるかもしれません。
今回は、実際に働いてみてこんなはずじゃなかった・・・とならないようにするための、失敗しないステーション選びの方法をご紹介していきます。
訪問看護ステーションの多くで取り入れているのが、オンコール体制です。
5年前はじめて就職した訪問看護ステーションでは、オンコールを取り入れていませんでした。
しかし、どこもオンコール体制を取り入れているのに、そのステーションだけ取り入れていないというのは、経営的にもデメリットになるため、私が就職してからすぐに取り入れ始めました。
これは、地域包括ケアシステムが推進されている中で、訪問看護でも緊急時の対応が求められはじめ、オンコール対応のない事業所が選ばれにくくなってきたことによるものと考えられます。
したがって、いまではオンコールのない訪問看護ステーションはないと思っておいた方が、いいでしょう。特に常勤で働く場合は、オンコールが持てないと厳しいかもしれません。
ただ、少ないですがオンコールが持てなくても、常勤で働くことができる事業所もあります。エージェント会社などを通じて探してみるといいでしょう。
また、このオンコール体制については、事業所によってやり方もオンコールを持った時の手当が全く違います。
1週間ごとにもつスタイルだったり、シフト制のように持ちたい日や持てる日にオンコールを持つなど様々です。
手当も、1,000円〜10,000円と幅があり、出動になったときの出動手当についても、事業所によって違います。
オンコールをどのような体制でまわしているのか、手当がいくらくらいなのかも入職前に確認が必要です。
休日については、病院勤務でも訪問看護でも確認しておきたいところです。
訪問看護ステーションでは提供するサービスの理念や運営法人の規定等により、年間休日数は異なります。
このとき、休日を見極める日数としては、110日以上あるといいでしょう。
ただ、110日では普通にお休みが取れる程度の日数です。
訪問看護師に転職しようと考えている方の中には、育児との両立で余裕をもって家族との時間も大切にしながら働きたいという方も多いでしょう。
その場合は、120日程度あるステーションの方が安心です。
また訪問看護の場合、基本的に土日祝日はお休みですが、お盆休みはないところも多いです。
夏季休暇についてもないところがあり、長期休暇は可能ですが、その際にはお休み中の利用者さんの訪問について、代行をお願いしたり、振替の日の提案をしていく必要があります。
年末年始については基本的にお休みですが、点滴が必要な人やケアマネさんから依頼があった人に関しては、オンコール担当の看護師が訪問することが多いです。
このように、土日祝日がお休みなところは子育て中のママには、とても働きやすい環境ですが、長期休暇を取りたい場合には、有給での対応になるところが多いことも頭の片隅に入れておきましょう。
訪問看護の場合、ステーションの規模によっても忙しさが変わってくる傾向にあります。
まず小規模の場合です。
小規模の訪問看護の場合、ご利用者数に合わせて少人数で運営をしている事が少なくありません。
この場合、全員がフル稼働している時には問題ないですが、ひとり休んでしまうと他のスタッフにその分の訪問もお願いしなくてはいけない場合もあります。
そして、ひとりの負担が大きくなってしまうことに繋がる場合が多いです。
子どもの急病などで休みが多くなってしまう、ママさんナースなどは規模なども注意が必要です。面接時には、子育てに理解を示していても、実際に休みが増えてくると他の方の負担が大きくなり、他のスタッフの不満へとつながるケースも少なくありません。
また逆のパターンもあり、子どもの体調不良で別の看護師が休んだ場合、自分が代行で訪問することもあるため、少し負荷がかかってしまうことも考えられます。
小規模の訪問看護ステーションの場合は、ひとりが休んだ時にどのように訪問をまわしていくかもイメージして、ムリなく働ける環境を選べるといいでしょう。
また、ステーションの規模と同時に、医療法人か、民間の株式会社かも大事です。
医療法人の場合、給与や福利厚生は大元の病院の看護師と同じように扱われるところが多いです。
したがって、ある程度の待遇などもしっかりしているでしょう。
また、医療法人のメリットは医師との連携も取りやすいところがあります。
株式会社の場合は、医療法人よりも経営面も見えてきやすいので、訪問看護の経営について知りたい方にはおすすめです。
また、医療法人では医療度が高い利用者さんが多いのに比べて、株式会社では比較的落ち着いた方を見ていくことの方が多いでしょう。
ただ、株式会社の訪問看護ステーションでも、全く医療度の高い方が来ないわけではないので、先入観は持たずに就職していくことが必要です。
訪問看護ステーションは、さまざまな疾患の人を見ているというイメージがあります。
厚生労働省の令和元年の調査で、介護保険の利用者では「循環器系疾患」「筋骨格系及び結合組織の疾患」が多く、医療保険の利用者では「神経系の疾患」「精神及び行動の障害」が多いという結果があります。
「神経系の疾患」は、厚生労働省の定める疾患に該当する疾患が多く、介護保険の認定が降りている利用者も医療保険での訪問になり、「精神及び行動の障害」の場合は、精神科訪問看護指示書での訪問が多く、医療保険での訪問になるため、統計的に訪問看護で多い疾患との結果になっている可能性はあります。
しかし、それを事業所単位で落とし込んだ場合は、必ずしもこの傾向で利用者の数が反映されるとは限らず、ステーションごとに得意とする分野をもって運営していることも多いです。
例えば、小児専門の訪問看護ステーションとして小児を得意としているステーションや、精神科を得意としているステーションなどが挙げられます。
私がはじめに就職した訪問看護ステーションは、理学療法士の方が立ち上げたステーションで、リハスタッフが多い職場でした。
したがって、状態観察もしながら、リハビリが必要な方の訪問が多かったです。
もちろん、それだけではありません。がん末期の方や糖尿病の方、認知症の方の服薬管理などで訪問することもありました。
自分がどのような利用者さんをみたいのか、明確にしてそのステーションが自分のやりたい看護と合っているかのすり合わせをしておくと、入職後やりがいをもって働くことができるでしょう。
訪問看護師の1日の訪問件数は、5〜7件です。
病棟でみる人数の半分程度ですが移動時間があるため、7件の訪問がある日は忙しいスケジュールとして考えられます。
また、1日の訪問件数とともに移動時間や移動距離も確認しておきましょう。
訪問件数が4〜5件だったとしても、車移動で30分以上かかることがある場合、5件目をまわるときには、夕方になっていることも多いです。
そして、ステーションのやり方が担当制かチーム制かも確認しておきましょう。
担当制とチーム制の違いは、担当制は同じ看護師が同じ利用者さんのところに訪問するスタイルで、チーム制は管理者や事業所のリーダーが、その都度それぞれの看護師の訪問ルートを組んで行っていきます。
訪問看護ではどちらもメリットデメリットがあり、担当制の場合利用者さんの全体像や疾患、症状などに対して把握しやすい反面、営業日に有休をとってお休みする場合などは、代行の調整をしたり振替をする必要が出てきます。
一方、チーム制の場合はその都度看護師を調整するため、さまざまな看護師が入ることで、症状の見落としを予防できたり、いろんな人の意見を取り入れて在宅ケアができます。また、訪問看護ではルート組が大変なことも多く、新規の利用者さんが入ってきたときにも、ルート調整が担当制よりも容易になるのもメリットです。
しかし、看護師同士の看護観の違いから自分の思うような看護ができないこともあるかもしれません。
ただ、やり方に対しては向き不向きがあるので、自分がどんな看護をしていきたいかなどを考えて決めていく必要があります。
訪問看護では、病院勤務のように常に事業所にいるわけではないため、日によってはこの人とは今日1日も会わなかったということも珍しくありません。
しかし、オンコールなどの対応があったり、休みの日や訪問に出ているときに何か連絡があった場合、対応できるよう訪問したときの情報共有が必要です。
最近は訪問看護師が、スマホやタブレットをもって訪問しているところも多く、その記録での情報共有をするところもあります。
しかし、訪問看護ステーションによっては、1人に1台与えられているところばかりではありません。
したがって、アプリのグループなどを使って、利用者さんの訪問時の状況など報告しあうところもあります。
その報告スペースへの入力が、業務内に出来ればいいですが、時間外に行わなければいけないところも多くあります。
子育て中のママの場合、勤務時間外での作業が難しいこともあるでしょう。
そんな方は、情報共有の方法や重要度、訪問記録と同等の強制力があるかなども確認しておくと安心です。
また、訪問看護では毎月書類の提出があります。この書類の作成も訪問が1日びっしり入っていると、時間外に行うようになってしまうことがあります。
したがって、訪問件数や前述した報告スペースへの入力などと合わせて確認しておくといいでしょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
オンコール体制について確認 | 訪問看護ステーションの多くで取り入れている。 オンコールの体制や手当は事業所によって異なる。 |
休日の日数 | 年間休日数は事業所によって異なる。110日以上が望ましい。 育児との両立を考える場合は120日程度あるステーションが安心。 |
ステーションの規模について確認 | 訪問看護の忙しさはステーションの規模によって変わる。 小規模の場合、スタッフの負担が大きくなる可能性がある。 |
利用者の特性 | ステーションごとに得意とする分野が存在。 自分がどのような利用者を見たいかを明確にすることが重要。 |
1日の訪問件数と訪問形態 | 1日の訪問件数は5〜7件が一般的。 移動時間や距離、担当制かチーム制かも確認が必要。 |
情報の共有や書類業務の時間 | 訪問看護では情報共有が重要。 スマホやタブレットを使用する場所もあるが、事業所によってはLINEなどでの報告が必要。 |
今回は、訪問看護師として働くためのステーション選びについて、解説してきました。
訪問看護師への転職を失敗しないためには、自分が訪問看護師としてどのような働き方をしたいのか、どのような看護がしたいのか見つめなおしましょう。
そして、理想の働き方ができる場所か見学や面接時に、確認していくことが大切です。
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