COLUMN
コラム訪問看護師として働きはじめたものの、訪問件数がなかなか増えないという人もいるのではないでしょうか。
利用者の獲得は、管理者の問題だけではありません。
訪問看護ステーションの看護師のお給料や賞与は、訪問件数でアップしていくところも多いです。
では、どのようにしたら利用者獲得数が増え、訪問件数が増えていくのでしょうか。
今回はそのあたりを、ご紹介していきます。
利用者の数は、何もせずに増えてはいきません。
利用者獲得のためにやってきたことをご紹介していきます。
まず、やっていたのが営業です。
私が勤めている事業所は、まだ事業所ができてから1年程度と短いステーションです。
私が勤め始めたのは、すでに半年程度たってからのことでした。
したがって、まだ多いとは言えないもののそれなりに利用者さんの依頼件数が来るようになっていました。
しかし、開所当時はもちろん利用者数はゼロです。
そこから、近くの居宅などの営業リストを作り、営業に行っていきました。
営業リストには、居宅や地域包括、クリニックや病院などの名前や住所はもちろんのこと、いつ営業に行き、どんな反応だったのかまで、記録に残していっています。
これは、反応が良かったところには、定期的に行って名前をさらに覚えてもらうとともに、同じところばかりに営業に行ってしまうことがないようにしていく目的です。
そんな、先輩方の努力が報われ、私が入職し始めて3〜4か月後には依頼件数が増えてきました。
訪問看護では、月に1回計画書と報告書を作成します。
これは医師とケアマネ両方に、1カ月の報告と次月の計画を渡しています。
多くの事業所では送付していますが訪問がないため時間もがあったので、ケアマネさんとのコミュニケーションを図るためにも、手渡しをしに行っていました。
電話と直接会っての印象はお互いに違いますし、郵送で送られてくる訪問看護ステーションが多い中、手渡しで持ってきてくれる事業所となれば印象に残ります。
ケアマネージャーへの報告や連絡で、接点を増やすということも利用者さんを増やすうえでは有効です。
報告や連絡で接点を増やすことは、事業所の名前を知ってもらうことはもちろんですが、利用者さんの状況をこまめに報告することで、信頼関係を築くことにもつながります。
ケアマネージャーさんにしても、病院の地域連携室のようなところからの依頼にしても、はじめは電話での問い合わせになります。
そこで大切なのが、電話対応です。
電話の場合、声のトーンや口調、言葉の使い方のみになります。
人は対面での会話の場合、言葉だけでなく表情や仕草など、ノンバーバルな部分でも印象を判断しています。
これは、メラビアンの法則という心理学の法則でいわれているものです。言語情報:聴覚情報:視覚情報=7:38:55という法則です。
人がコミュニケーションをとっていく場合、半分以上が視覚情報からとっているのがこの法則からも分かるでしょう。
電話対応の場合、声のトーンや言葉だけでのやりとりになります。
したがって相手の表情などが見えない分、声のトーンや言葉遣いは、対面で話すときよりも重要で意識していかなければいけないのです。
ご家族やケアマネージャーとのコミュニケーションだけでなく、看護技術やリハビリ技術の向上を目指していくことも大切です。
実際に、事業所を利用してみて質の高いサービスを提供してくれたら、ケアマネージャーも他の利用者さんもお願いしてみようとなるでしょう。
また、実際に利用している利用者さんやご家族の場合、提供されたサービスが希望通りのものでなければ、別の事業所に変えようと検討されてしまうこともあります。
したがって、訪問看護の場合は病棟勤務よりもより自分の看護技術の向上を目指していく必要があります。
特に注意が必要なのが、在宅ならではの考え方で知識や技術を高めていくということです。
在宅の場合、生活の上で治療や療養があります。
調理や掃除洗濯をしながら、治療や療養をしているということです。
在宅での療養は、医療従事者が思っている以上に、ケアなどを行う時間は限られています。
また、ご家族によって介護や看護の知識・技術の獲得状況はまちまちです。
したがって、生活の上で療養しているということや介護・看護の知識技術を獲得していくのはとても大変だということを踏まえて、ご家族と情報を共有してケアなどのアドバイスをしていく必要があります。
このようなことから、訪問看護師は在宅ならではの知識や技術を身につけていくことが大切です。
今回は、訪問看護ステーションとして、利用者が増えていった理由と方法について解説してきました。
訪問看護ステーションとしての利用者を増やすためには、まずは名前を知ってもらうことが大切ですが、ある程度利用者が増えてきたら、日々のケアの質が大切になってきます。
ケアの質が悪ければ、ケアマネさんからリピートしてもらえません。
また、ケアマネさん同士のつながりから、あそこの訪問看護ステーションは良かったと、口コミで広がる場合もあります。
ついつい利用者さんを増やそうと、営業に躍起になってしまうかもしれませんが、利用者さんを確実に増やしていくためには、スタッフひとりひとりの看護やリハビリの質はとても大切です。日々向上心をもってケアなどにあたっていきましょう。
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