COLUMN
コラム訪問看護は、一人で訪問するし経験が浅いと出来ないのではないか、と思っている人も多いでしょう。
しかし、実際は経験が浅くても訪問看護師になることはできます。
むしろ、経験よりも人柄やその人が持っている性質の方が大切かもしれません。
今回は、訪問看護に向いている人について解説していきます。
訪問看護に向いている人に当てはまらない場合やベテランでなくても訪問看護師になれる理由についてもご紹介しているので、参考にしてみてください。
訪問看護は、ベテランでないと難しいと思っている人も多いですが、それが全てではありません。
現に、事業所によっては新卒で受け入れているところもあります。
また、ベテランになればなるほど病院でのやり方が染みついてしまい、訪問看護でのやり方に切り替えるのが難しいといった問題が出てくることもあります。
では、どのような人が訪問看護には向いているのでしょうか。
まず、ひとつ目が主体的に行動できる人です。
訪問看護では、ひとりで訪問しそこでアセスメントしてケアを行っていきます。
病棟などでは指示を仰ぐことができますが、訪問看護では基本的にアセスメントから自分で判断して行動する能力が必要となります。
したがって、指示待ちの人ではなく、主体的に動ける人の方が向いていると言えるでしょう。
訪問看護では、臨機応変な対応も必要とされます。
病院勤務では、決められたルールの中で看護が行なわれることが多いです。
しかし、訪問看護では決められたルールはなく、各ご家庭に合わせた看護やケア方法が求められます。
さらには、病院のように医療物品や介護用品がそろっているわけではありません。
ご家庭にあるもので、どう代替えして行なっていくかというアイディア力も試されます。
また、訪問時にすでに転倒していたり、発熱していたりと突発的なトラブルも多いです。
そんなとき、受診を進めるべきなのか、様子を見ていいのかなどの判断も臨機応変にしていかなくてはいけません。
場合によってはケアマネージャーにその場で連絡するなど、さまざまな対応が求められることもあります。
このように、訪問看護師には臨機応変な対応も求められます。
訪問看護は、子育て中のママが多く病棟勤務よりも体力的には、楽なのではないかと思う人もいるでしょう。
しかし、実は思っている以上に体力勝負です。
もちろん、夜勤がないのでその分生活リズムなどは崩れにくいといったメリットはあります。
しかし、夏の暑い日、冬の寒い日、雪の日でも利用者さんの家へ訪問しなくてはいけません。
地域によっては、自転車で訪問にまわることもあります。
車移動だったとしても、寒暖差で思っている以上に体への負担がかかります。
また、訪問先ではご家族やご本人に厳しいことを言われることもあるでしょう。
このように、訪問看護は体力や精神力に自信のある人が向いているといえます。
訪問看護では、病棟での勤務以上にコミュニケーションが大切です。
病棟では、毎日患者さんを見ていけるので、体調なども過去の記録でたどっていくことができます。
しかし、訪問看護では週に1〜2回の訪問のため、ご本人やご家族からの情報が大切になります。
このとき、自分がアセスメントしていく上で必要な情報を引き出せるかが大切になってきます。
人は、信頼した人にいろいろなことを話したいと思うものです。
したがって、ご本人やご家族との信頼関係を築くためにもコミュニケーション能力が必要です。
訪問看護で、良いケアをしていくためには、相手のことをよく知り、信頼関係があることが大前提ともいえます。
また、訪問看護ではご本人やご家族だけでなく、ケアマネージャーや医師、薬剤師、ヘルパーなど様々な職種の人ともコミュニケーションを取ることが多いです。
ご利用者さんが、自宅で過ごしていくためには、多職種との良好なコミュニケーションも必要となります。
上記に当てはまらなかったものがあるといった人でも、努力することで改善できるものもあります。
いままで、指示待ちだった人でも自分なりに利用者さんのことを考えて動いていってみましょう。
もちろん、はじめは合っているのか不安なことも多いです。
そんなときには、先輩看護師に自分の考えを確認してもいいでしょう。
また、はじめのうちから考えられない人は、事業所に戻った後などに管理者や先輩ならどうするのか聞いてみても良いかもしれません。
このようにして、経験を重ねていくうちに自分で判断して主体的に動けるようになっていきます。
私も、病院勤務では指示待ち人間でした。
それが、訪問看護で勤務していくうちに、主体的に動くことができるようになりました。
なぜかというと、病院よりも決められた正解がなかったからです。
それにより、自分で考え主体的に動けることが増えました。
そして、さらに訪問看護という仕事が楽しくなりました。
もちろん、利用者さんの状態によっては「ここは譲れない」というものもあります。
しかし、訪問看護では決められた正解は少なく、「この方法もいいね」「こっちの方法もあるな」といったように、さまざまな方法の中からその人にとって一番いい方法を見つけ出していくのも看護師の役割です。
自分がいままで指示待ちだったのであれば、これから日々の仕事の中で主体的に利用者さんのことを考えて動いて、身につけていけば問題ありません。
訪問看護では、都心などの場合車移動では、駐車場の問題や交通事情での問題が大きくなり、車移動よりも自転車移動の方が多い傾向にあります。
自転車移動では、かなりの体力を使います。
したがって、体力に自信がない場合は、車移動を取り入れている事業所を選らんでもいいでしょう。
また、訪問看護は訪問する時間が決められているので、勤務時間に融通もききやすいのがメリットです。
子どもが小さい場合は、時短勤務にしたり、慣れるまでは非常勤で時間を短くして働いて様子を見たりするなど、自分の体力に合わせて考慮して勤務形態や勤務先を決めるのもおすすめです。
訪問看護は、一人で訪問するためある程度の経験があると、事業所としては即戦力として使えて嬉しいかもしれません。
しかし、絶対にベテランでないとなれないわけでもありません。
むしろ、あまり病院での経験がない方が、訪問看護のやり方に馴染みやすいといったメリットもあります。
まだ、経験が浅くて心配という人も、はじめのうちは同行訪問をします。
また、電話で先輩や管理者に相談できる環境が整っている事業所も多いので、思っているほどひとりでの判断に迫られる状況は少ないです。
ぜひ、訪問看護にチャレンジしてみてください。
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