COLUMN
コラム訪問看護でのヒヤリハットは、病棟と同じようなものもありますが、訪問看護ならではのヒヤリハットも存在します。
今回は、訪問看護で多いヒヤリハットについて、ご紹介していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
訪問看護では多い、内服管理のための内服セット。
高齢者の場合、複数の病院にかかっており、一方化されていても処方されている病院ごとに一方化されており、セットする数が多くなることもあります。
そういった場合に起こりやすいのが、ある病院からの処方はセットされているものの、別の病院から処方された内服をセットし忘れてしまうというもの。
特に在宅の場合、飲み忘れのお薬も同じ場所に保管されていたり、飲み忘れで内服がずれてしまったりと病棟と違って、内服薬が整理されていないことも多いです。
私の場合、認知症高齢者のため内服薬を事業所で保管しており、訪問時に持っていくのを忘れてしまい、再度取りに行って内服セットをすることになってしまったこともありました。
病棟では、ナースステーションで全て管理しており、残薬がそのままになるということもめったにないので管理もしやすいです。しかし、在宅の場合は次の処方までの内服薬が揃っているかなどまで、きちんと数を数えておく必要があります。
訪問看護では、よっぽどのことがない限り、ひとりでの訪問になります。
したがって、病棟では安全を考えて二人介助で行うケースでも、訪問ではひとりで行うことになることも多々あります。
そんなときに、起こりやすいのが移乗や移動時の転倒転落。
私が介入していた利用者さんの中でも、ほとんど寝たきりといってもいい人をご家族の意向で歩かせて、室内を移動したり入浴介助をヘルパーさんとしていました。
このときは、あまりにも危険なのでご家族には、理由を説明して車いす移動での提案や訪問入浴の導入を管理者から伝えてもらいました。
私のケースでは、かなりADLが落ちている人のケースですが、普通に歩ける人でも屋外歩行などで躓いて転倒してしまうなどのケースもあるので、介入時には気を付けていく必要があります。
訪問看護では、利用者さんが受診で訪問時間や訪問日が変更になったり、祝日により振替で訪問することもあります。
そんなとき、通常の訪問ケースは毎週のことなので覚えていますが、イレギュラーで変更になってしまった場合、訪問忘れが起こってしまうこともあります。
また数年前の法改正で、リハビリ単独での訪問ケースについては、3ヶ月に1回程度看護師の訪問による状態観察が義務付けられました。
この場合、3ヶ月に1回の訪問になるので訪問を入れていたのを忘れてしまうといったケースもあります。
私も利用者さんのご家族から連絡が来て、3ヶ月に1回のアセスメント訪問を入れていることに気づいて、慌てて訪問に向かったという経験があります。
訪問看護では、車で訪問するという事業所が多いです。
そのときに、利用者さんから家の前に停めていいと言われ、停めていたところ近所の人に通報され、駐禁を取られてしまったというケースをよく耳にします。
そのため、駐車禁止のところに車を停める場合は、警察署にいき駐車許可証をどのようなケースでも貰っておくのがいいでしょう。
私の場合、いつも訪問している人がお休みで、代行訪問したときのことです。
団地の敷地内に車を停めて大丈夫とのことでしたが、私が訪問したときにいつも停めているところに他の車が止まっており、車を停めることができませんでした。
そこで、仕方なく路駐をしたのですが、そのたった1時間程度で駐禁を取られてしまいました。こういったケースもあるので、駐車禁止スペースに路駐するときには、必ず駐車許可証をもらっておく必要があるでしょう。
訪問看護は、医師の指示書がなくては訪問ができません。
訪問看護指示書には、指示書の有効期間が書かれています。
期間は、主治医によって異なりますが、最短で1カ月、最長で半年の期間で指示書は発行されます。
1カ月に1回の場合は、医師も忘れずに発行してくれるのですが、3ヶ月に1回や半年に1回の場合、主治医も把握出来ていない場合があります。
訪問看護は医師の指示書がなければできないため、実績としてお金を請求することができない可能性があります。
また、めったに起こることではありませんが、指示書の期限が切れているにも関わらず、訪問したと主治医からのクレームにつながる可能性もあるでしょう。
したがって、訪問看護師として訪問に携わる場合は、医師の指示書の期間がいつまでなのか、指示書の切り替えの時期には、きちんと次の指示書が届いているかを確認していく必要があります。
訪問看護では、利用者さんの転倒転落や内服管理ミスなどの他に、訪問忘れや指示書の期限切れなど、訪問看護独特のヒヤリハットもあることを頭の片隅にいれておきましょう。
そして、日々訪問予定をきちんと確認してから業務をスタートしたり、訪問に出かけるクセをつけることで、防げるミスが数多くあります。
病棟での勤務と流れややり方が違うことも多く、覚えることもたくさんありますが、はじめのうちはしつこいくらい、確認して業務にあたっていくことが大切です。
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