COLUMN
コラム訪問看護は、教育体制が心配という人も多いのではないでしょうか。
少し前までは、訪問看護での新人教育は同行訪問のみで、あまりなされていなかったことも多いです。
しかし、最近ではOJTを使って新人研修をしている事業所が増えてきました。
看護師経験がないと、NGというステーションばかりだったのが、最近では新卒の看護師も受け入れているステーションもあり、教育体制は整いつつあります。
では、実際訪問看護でのOJTはどのように進められているのか、疑問な人も多いでしょう。
今回は、訪問看護でのOJTのマニュアルや新人教育について、解説していきます。
訪問看護で働いてみたいけど、不安という人はぜひ参考にしてみてください。
訪問看護でのOJTのスケジュールについて、ここでは解説していきます。
今後、訪問看護で働く際にどのような経過をたどって、ひとり立ちしていくのかイメージもできるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、OJTとはどのようなものか、振り返ってみましょう。
OJTとは、日々の業務の中で仕事をしていく上での知識や技術などを、計画を立てて教育を行い、段階的に知識や技術を習得していくことです。
訪問看護では、基本的な在宅での看護技術や介護保険制度の知識、マナーなどからはじめることが多いでしょう。
さらに、はじめのうちは介護度がそれほど高くない利用者さんの訪問から始め、介護度が高い利用者さんまで扱える利用者さんの幅を広げていけるよう段階的に計画を立てて行われます。
今回は東京都福祉保健局のマニュアルで、ご紹介していきましょう。
画像引用:訪問看護OJTマニュアル|東京都
ここでは、3か月間は同行訪問し状態が安定した利用者さんをまず担当していくことが示されています。
私の経験でも、同じように状態が安定した利用者さんから訪問をはじめました。
状態が安定した利用者さんの訪問が問題なくできるようになったのちに、少し対応が難しい利用者さんの訪問を見学させてもらいます。
そして、さらに看取りの対応、完全にひとり立ちといった経過をたどっていました。
また、病棟での教育と同様にシートを使って、習得した知識や技術を評価していきます。
さらにこのマニュアルでは、3か月後、6か月後など定期的に振り返りの面談を行い、目標達成状況などを確認していくことも記されています。
あくまでも、東京都福祉保健局が示しているものであり、このやり方が全てではありません。
事業所の規模や方針によっても、OJTの期間や方法が異なることは、理解しておきましょう。
訪問看護でのOJTは、その人の訪問看護や看護師としての経験歴でも異なります。
新卒や病棟勤務の場合には、同行訪問も念入りに行うところが多いですが、訪問看護経験者の場合は、同行訪問については利用者さんの申し送り程度というところも多いです。
OJTシートを使って評価はしていくものの、新卒や訪問看護未経験に比べて、マンツーマンでのフォローは少ない傾向にあるので、不安な場合は自らその旨を伝えておく必要があります。
実際に私が訪問看護ステーションで、受けたOJTの教育についてご紹介していきます。
私は2社訪問看護ステーションで働いていた経験がありますが、OJTで教育を受けたのは2社目でした。
したがって、ある程度訪問看護の知識と技術がある上での新人教育となったので、OJTをつかった教育ではありましたが、かなり短縮されている部分もあります。
私が受けた教育方法としては、全く訪問看護に携わったことがない人と同じで、OJTシートと同行訪問時の事例検討用紙の記載です。
OJTシートでは、訪問看護で必要なマナーが出来ているか(服装や髪型、訪問時の挨拶など)や訪問時の看護技術やご家族との関わりなどの項目をチェックしていきました。
同行訪問での事例検討では、利用者さんの様子を見ての感想や先輩看護師が実践している看護を見ての気づき、自分が訪問をする際に気を付けていきたいことなどを記載していきました。
今回の場合、私はすでに経験者ということもあり、OJTシートでの評価をすることはありましたが、実際に訪問看護の基本的なマナーや看護技術などの具体的な指導はありませんでした。
しかし、3か月後には面談でOJTシートの評価で振り返りを行うとともに、困っていることなどがないかなどのヒアリングが、管理者からありました。
もちろん、そのOJTによる教育が終わってからも、なにか訪問などで不安なことなどがあった場合には、確認できる体制は整っていたので、安心して仕事が出来ていたのを覚えています。
今回のOJTの事例は、訪問看護経験者だったので、基礎的な部分は出来ている上での教育スケジュールとなっています。
未経験者の場合は、もっと同行訪問もしっかりとしてくれる事業所も多いですし、訪問看護で必要な基本的なスキルやマナーから教えてくれる事業所も多いです。
OJTのスケジュールは経験値などに合わせて一緒に考えてくれるので、必要以上に不安になることはないでしょう。
もし、教育体制が不安な場合は面接時に採用担当者に確認したり、エージェント会社を仲介にして入職する場合は、担当してくれている人に確認したりするのもおすすめです。
最近では、訪問看護ステーションでの新人教育もしっかりされている事業所が、多くなってきました。
ただ、同行訪問はあるとはいえ、実際に業務に携わりながら習得していくのがOJTです。
ある程度の訪問看護や在宅看護についての基礎知識は身につけておくことで、スムーズに業務に入れるのは間違いありません。
したがって、訪問看護で働くことを検討している場合には、事前学習はしておいた方がいいでしょう。
書店の参考書などで学んでおくだけでもいいですが、もし余裕があるのであれば、各都道府県や日本看護協会などで開催されている訪問看護の基礎研修のようなものに、参加するのがおすすめです。
今回は、訪問看護でのOJTについて、解説してきました。
少し前までは、経験豊富な看護師でないとなかなか敷居の高い訪問看護でしたが、最近では教育体制が整っているところも多くあります。
ある程度の訪問看護についての知識を身につけておくと、現場に入ってから仕事をしやすいのはもちろんですが、必要以上に不安がることはありません。
新しい分野で働くときに不安なのは、病棟でも訪問看護でも一緒です。
OJTで教育体制の整った訪問看護ステーションを選べば、必要以上に不安になる必要はないので、ぜひ訪問看護で働いてみてください。
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