COLUMN
コラム訪問リハビリはなぜ必要?訪問リハビリの役割や内容は何?
リハビリは病院やデイケアサービス、施設など様々な環境で受けることができます。訪問リハビリは、なぜ患者の自宅に訪問して訓練する必要があるのでしょうか?
リハビリを提供している場所が多い中、訪問リハビリの役割や内容がよく分からない人もいるはず。
この記事では訪問リハビリの役割や内容・費用などをまとめています。訪問リハビリについて知りたい方や訪問リハビリの利用を検討中の方は、この記事を読んで訪問リハビリの理解を深めましょう。
訪問リハビリは、どのような人が訪問リハビリを求めて利用されているのでしょうか?また、厚生労働省は訪問医療を推進しており、訪問リハビリなどの訪問医療は年々増え続けています。
厚生労働省が訪問リハビリを進める理由、訪問リハビリの役割は何なのでしょうか?
訪問リハビリを受ける患者は、退院後の患者、先天性の疾患がある小児、慢性的な障害がある患者、看取り目的など様々です。訪問リハビリを利用する患者からみた訪問リハビリの役割は4つあります。
患者のニーズに合った訪問リハビリの役割を下にまとめました。
・患者の自宅や近所などの生活環境で実用性が高い動作訓練ができる
・2~3単位のリハビリがしっかり受けられる
・早期退院して在宅でリハビリを受けることができる
・健康状態を確認してもらえる
訪問リハビリは、ご家族の負担を減らすことも重要な役割です。それを目標にリハビリのプランを立てることは多々あります。訪問リハビリは家屋状況や家族の介助の様子を確認することができるので、より介助量軽減につながるプランを立てることができます。
家族にとって訪問リハビリの役割は幅広く、機能回復のみが役割ではありません。外出を減らすことができるので感染予防になり、家族が仕事中に訪問し患者の安否確認を行えます。
また、自宅で看取り目的の患者の介入も行います。自宅で看取る場合は家族にとって精神的・介護的な負担が大きいです。訪問リハビリは見取り目的の患者に介入し、家族の負担が減るように環境設定や相談にのるなどサポートも行います。
家族からみた役割は幅広く6つ
・通院同行が必要ない
・リハビリの様子を見れる
・直接セラピストと相談できる
・外出による感染症のリスクが減る
・日中独居の患者の様子を確認する
・「自宅で看取る」という選択がしやすい
高齢化の現代、厚生労働省は医療費が財政を圧迫している問題から在院日数の短縮を目指しています。厚生労働省の方針では、術後の急性期から在宅へ退院し訪問リハビリのような治療に移行して欲しいようです。
海外では日本のように医療保険がなく入院すると莫大な医療費がかかってしまいます。入院は早期退院し、在宅で民間のクリニックや在宅医療を受けることが自然の流れのようです。
訪問リハビリの役割は入院日数を減らす役割があり、患者やご家族の需要も上がっているので今後も拡大すると考えられます。
訪問リハビリの最大のメリットは、実用的な動作獲得に向けて訓練ができることです。院内や施設のバリアフリー環境では再現に限度があります。
・患者の生活環境で実用的な訓練ができる
・家族に直接相談や指導ができる
・生活環境や状況を把握しやすい
デメリットは4つ。訪問リハビリは多職種との連携や状況判断が必要になります。連絡に時間がかかってしまったり、状況判断はリハビリスタッフの能力によるかもしれません。
また、病院より訓練にリスクが伴うため、リハビリ内容は制限されやすいです。訪問リハビリは、自宅に招きいれてリハビリを行うので、プライベート空間への配慮が必要です。特に患者とスタッフが異性になる場合は配慮した方が良いでしょう。
・他職種との連携や幅広い視野が必要
・バイタルの管理や状況判断能力が必要
・一人で訪問するため訓練にはリスクが伴う
・プライバシー管理がより必要
バイタルチェック | 服薬を含め行うこともあります。看護師との連携が重要 |
可動域訓練 | 動作制限の改善のための可動域訓練 |
機能訓練 | 筋力向上や動作の向上を図った訓練 |
室内での動作訓練 | 自宅の浴槽で入浴のデモ ベッドからトイレまでの導線を移動する訓練など |
屋外での訓練 | スーパーなど生活で必要な移動距離の屋外歩行訓練 |
家族や本人への生活指導 | 自主トレ指導や生活指導 |
アドバイスや環境改善の相談 | 家族やケアマネに環境改善や生活のアドバイスを報告 |
まずはケアマネージャー(介護支援専門員)に相談する
ケアマネージャーは、介護を必要とする人にサービスを組んでケアプランの調整を行ってくれる人です。ケアマネージャーに相談すれば、リハビリに必要な書類や事業所を探してもらえます。訪問リハビリ含め、利用サービスはケアマネージャーが相談窓口です。
主治医からリハビリが必要だという診断をもらう
訪問リハビリを受けるには、主治医からリハビリが必要だという診断書類が必要です。かかりつけ医に相談しましょう。
介護保険証の認定を受けている
介護保険は65歳以上から受けられる保険です。市町村窓口に介護保険を申請すると、動作レベルや体の状態によって要支援1〜2、要介護1〜5のどれかの認定が2ヶ月ほどで認定されます。
要介護1〜5の場合は訪問リハビリが受けられます。要支援1〜2の人は介護予防訪問リハビリテーションを受けることができます。40歳〜64歳は医師の特定疾患の診断がある場合、対象になります。
訪問リハビリの費用は要支援や要介護人は金額の違いがありません。所得金額などによって決められた自己負担割合によって負担が変わってきます。退院直後に短期集中で訪問リハビリを受けられる場合は安く受けられるプランもあります。ここでは通常の訪問リハビリの料金をまとめています。料金が詳しく気になる方はケアマネージャーに相談しましょう。
訪問リハビリテーション料金
20分(1単位) | 40分(2単位) | |
1割負担 | 300〜320円 | 620〜650円 |
2割負担 | 620〜650円 | 1280〜1310円 |
3割負担 | 950〜980円 | 1950〜1980円 |
訪問リハビリの役割は患者や家族、厚生労働省にとって重要です。今後も拡大する領域だと考えられます。
この記事を読んで訪問リハビリの役割がわかれば、サービスの適切な選択ができるでしょう。
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