COLUMN
コラム訪問看護には、事業所によって特徴や特化したものがあることは、ご存じでしょうか。
例えば、精神科や小児に特化していたり、リハビリに力を入れている事業所もあったりします。
今回は、それぞれ特化した訪問看護ステーションの特徴について解説していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
いま、増えてきているのが精神科に特化した訪問看護ステーションです。
精神疾患の利用者さんはもちろんのこと、現在増えてきている認知症の方の中には薬がきちんと飲めない人もいます。
そんな人の内服管理をしていきます。
また、入院するほどではないにせよ、精神疾患のある人は症状が出ているときもあります。
ときには、自傷行為や他傷行為に発展することもあるため、通院と通院までの間の様子を定期的に観察し、症状の変化の早期発見に勤めていく役割があります。
私が訪問看護師として働いている中では、夫婦二人とも統合失調症をもっているお宅に訪問させていただいたことがあります。
奥様の方は旦那様に手を出してしまう様子が見られ、旦那様は座位などは保てるものの、起きているのが大変だからとほぼ寝たきりになっていました。
奥様は、怒りの感情が出るとセーブできずに、手が出てしまう様子でした。
この場合、訪問時に内服の状況を確認し、話しを傾聴して共感しながらもいけないことはいけないと、お話しするというのが訪問看護師の役割です。
そうしているうちに、徐々に症状は落ち着いてご主人に手が出ることが一時期少なくなりましたが、またご主人を叩くといった行為が見られ始めたこともあります。
このように、精神科疾患をお持ちの方は良いときと悪いときがあります。
ご紹介したケースのように、精神疾患の症状の有無を確認しながら、利用者さんにアドバイスしたり、医師やケアマネに連絡していくのが、精神科の訪問看護の役割の一つです。
次によく耳にするのが、小児に特化した訪問看護ステーションです。
先天性の疾患や後天性の疾患で後遺症が残って、医療行為が必要な子どもの状態観察や両親のケアを実施していきます。
子どもは上手く症状が伝えられなかったり、処置も難しいこともあります。
また、両親との関わりも成人の家族との関わりに比べて、より丁寧にしていく必要があるでしょう。
さらには、訪問看護では生活背景まで意識して、病気の子のきょうだいとの関わりについて相談があることも考えられます。
このように小児特化は大変なことも多いですが、だからこそやりがいもより感じられるところです。
訪問看護によっては、機能強化やリハビリに特化した訪問看護ステーションもあります。
私がはじめて訪問看護師として働いたところも、リハビリに力を入れているところでリハビリスタッフが多くいました。
このような訪問看護ステーションは、より看護師とリハビリスタッフの連携が大切になります。
訪問リハビリは介入していないけれども、訪問時に簡単なリハビリをしたいと思ったときに、リハビリスタッフに相談もしやすい環境です。
逆に、リハビリスタッフが見ていて状態やリハビリの方法について看護師に相談されることもあります。
リハビリスタッフと看護師が、相互の強みを活かして協力して、利用者さんをみていくところは、とてもやりがいと魅力が詰まった事業所です。
現在では、自宅で最期を迎える人も増えてきました。
そんなときに、利用者さんやご家族が安心して過ごすことができるようにサポートしていくのが、ターミナルに特化した訪問看護ステーションです。
また、病院じゃないからこそできることが多いのが自宅のメリットです。
好きなものを好きなだけ食べるとか、お酒が好きな人はお酒を飲むとかターミナルだから、病院で過ごす人もいますが、そのような人はやはり病院のルールに従って過ごすことになります。
その点、自宅ではその人らしく最期を迎えられます。
このとき、訪問看護師はその人らしい生活が送れるようにサポートしていくのとともに、状態変化に気を付けながら様子を見ていき、必要に応じて主治医やケアマネに連絡していくのが役割です。
私もターミナルの人に、関わらせていただくこともありました。
このとき、利用者さんや家族が納得のいく最期を迎えられたとき、もちろん利用者さん本人からのお言葉は聞けませんが、ご家族から亡くなられたのに本当に感謝されるお言葉が聞けることが多く、ここでもやりがいを感じました。
今回は、訪問看護ステーションの特徴に合わせて解説してきました。
どこに特化した訪問看護ステーションにしようか、悩んでいる人もいるでしょう。
そんなときは、自分がやりたい分野で選ぶのがおすすめです。
訪問看護ステーションは、それぞれのステーションの特徴により、大変さも違います。
しかし、各ステーションの特徴によって魅力も違います。
今回の記事が、自分がやりたい看護のできるステーションを選ぶときの参考になれば幸いです。
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