COLUMN
コラムグループホームで、有名なのは認知症の人のためのグループホームです。
他にも障害者のためのグループホームもありますが、今回は私も訪問看護師として携わったことのある、認知症グループホームでの訪問看護について、ご紹介していきます。
グループホームとは、認知症の人が共同生活を送る施設で、ユニット型を取っている場合がほとんどです。その他、サテライト型もあります。
ユニットとは、複数の居室と台所、食堂で構成された生活空間で、食堂では毎日スタッフが体操やレクリエーションなどをして、入居者の人が楽しく共同生活ができるように工夫しているところも多いです。
サテライト型は、アパートなどで一人暮らしをするのと同様な形で生活していく方法で、必要な時には担当の支援員に連絡することで、サポートを受けることが可能です。
サテライト型の方が一人暮らしと同じ形なのでプライバシーはより守られますが、ユニット型でも個室なので、ご本人が居室でゆっくり休みたいと思うときには、休める場が確保されています。
グループホームへの訪問看護の介入は、介護保険ではできません。
ただし、医療保険での介入や施設での契約による介入は可能です。
医療保険や施設契約での介入について、以下にて詳しく説明していきます。
医療保険での介入は、基本的に在宅での介入と条件に違いはありません。
条件については、以下のようになります。
ただし精神訪問看護基本療養費は、管轄した厚生局に精神科訪問看護基本療養費の届出をした訪問看護ステーションが算定できることになっています。
届け出が出ていない訪問看護ステーションは、精神科訪問看護基本療養費を算定できないので注意が必要です。
さらに、算定するには「精神疾患を有する者に対する看護について、相当の経験を有する」者が訪問しなくてはいけません。
このことからも分かるように、精神科訪問看護基本療養費を算定できる事業所は、精神科看護に精通したスタッフで構成されている事業所といえます。
グループホームへ訪問看護師が訪問するケースとしては、グループホームと訪問看護ステーションと事業所同士での契約をした場合です。
この場合グループホームには、医療連携体制加算が支払われ、訪問看護ステーションにはグループホームから費用が支払われます。
このときの訪問看護師の業務としては、入居者の状態観察がメインになります。
また、入居者の急変時などに相談を受けたり、緊急出動する場合もあります。
在宅への訪問は、医師の指示書やケアマネのケアプランに沿って、訪問看護計画書を作成しケアを実施していきます。
一方、グループホームの場合は施設との契約での介入が多いです。
その場合は、前述したとおり入居者様のバイタルチェックなどの状態観察や介護スタッフではできない、ニッパーを使っての爪切りなどがおもな業務内容となってくるでしょう。
また、私が訪問していたグループホームでは、ケア的な部分で相談に乗ったり、便秘気味の人の排便コントロールのためのアドバイスなども行っていました。さらに、皮膚剥離程度の褥瘡の入居者の皮膚状態の観察や皮膚処置のアドバイス、ケア時の注意点などもアドバイスしていました。
ときには、連携している医師に連絡し、入居者の状態について情報提供し、往診時に状態を診てもらい、内服指示などもお願いもしていたこともあります。
医療保険で個別契約で介入する場合は、個別契約に切り替わることが多く、医師の指示書に沿って訪問看護計画を作成し介入していくため、在宅での訪問看護と大差ありません。
今回は、在宅以外での訪問看護の場所として、グループホームでの訪問看護の業務についてご紹介してきました。
在宅での訪問看護は、状態観察以外に状態を見ながらの入浴介助や内服管理などを医師の指示やケアマネのケアプランに沿って行っていきます。
しかし、グループホームの場合は施設スタッフでは判断出来なかったり、見落としてしまいそうな入居者の異常を早期発見していくことが、訪問看護師の役割になってきます。
グループホームの場合、認知症の人ばかりなのでスタッフからの情報がとても大切です。
よく、看護師と介護士は仲が悪いと聞くことが多いです。
介護士さんの中には、看護師に対してあまりいいイメージを持っていない人もいます。
そして、介護士さんによっては、なかなか看護師の考えを理解してもらえないことも多く、看護師として憤りを感じることもあるかもしれません。
しかし、グループホームへの看護師の訪問は状態を観察して、必要であれば介護士さんたちに対応してもらわないといけないこともあります。
したがって、訪問時はこちらもいかに介護士さんたちの思いに合わせて、お互いの信頼関係をいかに築いていくかも大切になってくることも肝に命じながら、介入していく必要があります。
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